winter and winter

冬の時代の考古学

増田未亜『冬のウインド』

『PURE』を経て、リリースされた増田さんの3rdシングル。「冬のウインド」とはいうが、表ジャケットも裏ジャケットも、増田さんは半袖姿だ。失恋した少女たちに「外に出よう」と呼びかけるカラッとした歌で、間奏では軽快な打楽器や華やかなシンセサイザーが鳴っており、南国感もある。増田さんは、表題曲についてこう語っている。

《アップテンポのノリのいい曲で、イントロの部分が少年隊みたいにカッコイイんですよ。詞のほうは、失恋した女の子たちに「元気を出してね」って励ます感じかな》(1)
《みんなに向けて、“勇気を出して”とか歌いかけてるんですよね。メッセージ・ソングって言ってもいいんではないかと(笑)》(2)

アレンジは『PURE』の大半を手がけた林有三氏。曲が終わったと思いきや、再び始まるという仕掛けが面白い。

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カップリングの「レイニィ・デイ」は《あなたとあの子のこと 知らずにいた夏の日 なつかしいけれど思い出したくない》と夏を寂しく回想する悲しい歌。しかし、やはりサウンドはアップテンポで軽快。“歌手・増田未亜”は、軽やかさや爽やかさを連想させる存在だと改めて思う。

増田さんは同曲について《難しかった》と述べつつ、《B面の中では一番好きで、このときはどっちはA面になってもいいと思ってました》と明かしている(3)。それほど、この曲を気に入っていたようだ。

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  1. 『ダンク』’89.12
  2. 『TYO』’89.12
  3. 『TYO』’89.12