winter and winter

冬の時代の考古学

Free Soul 冬の時代

Amazon Musicで「Free Soul 冬の時代」というプレイリストを公開しました。

music.amazon.co.jp

「冬の時代」のアイドルソングにはAOR仕様の楽曲が多々あり、シティポップ・ブームに沸く今、こういった楽曲から「冬の時代」の魅力が伝わるのではと考えてプレイリストを作成しました。他にもフレンチポップスやディスコサウンドなどを含んでおり、概して“和モノ”として扱われそうな楽曲をまとめています。

この期に及んで「Free Soulと言っていいのか」と自問しますが、ひとまず「オシャレでかっこいいサウンド=Free Soul」みたいな感じでまとめました(本家のFree Soulさん、すみません)。

とはいえ、楽曲のクオリティの高さゆえ「冬の時代」初心者のかたでも聴きやすいプレイリストになっているのではと思います。曲目は以下の通り。Amazon Music以外のサブスクにも楽曲があるはずなので、プレイリストを作成して聴いていただけたら嬉しく思います。

1. 新島弥生「この恋を終わらせないで」(『un jour』収録)
(2枚しかアルバムが制作されなかったことを惜しむほど、質の高い作品を残した新島さん。アルトが素晴らしいです。夜の横浜みなとみらいに行くと、毎回この曲を聴きながら散歩します)
本人動画>https://www.youtube.com/watch?v=x1Q13gzlXlw

2. Lip’s「Splendid Love」(『オール・ソングス・コレクション』収録)
UCC主催のオーディションで選ばれた3人組。アルバムを出した途端にイロモノの様になってしまいましたが、この曲は「冬の時代」のみならずJ-POP史に残る名曲だと思います。歌割も素晴らしい。’19年には7インチでリイシューされています)
本人動画>https://www.youtube.com/watch?v=_L5971rmUS8

3. 高橋由美子「夏の約束」(『PEACE!』収録)
(アイドルの天才が放った最強の名曲。作曲は「真夜中のドア」で世界的に名の知られることとなった松原みき氏。さらにアレンジは『エヴァンゲリオン』の劇場版などを手掛ける鷺巣詩郎氏とゴージャス歌謡の名手・松井寛氏のユニットで、今こそ聴くべき楽曲。そして、今こそ歌っていただきたい)
https://youtu.be/eAsvBA0xXcU?si=0rCDuVS6Pu-B9xyX

4. 小高恵美「見つめて」(『POWDER SNOW』収録)
(シンセの導入部やギターのカッティング、柔らかなコーラスが粋な楽曲。小高さんは音符をなぞるような、優しく丁寧な歌唱が印象的。私好みの歌い手です)
https://youtu.be/O_Kf0iMQba4?si=0JrBmDi0soTWBFld

5. 高岡早紀「太陽はひとりぼっち」(『SABRINA』収録)
(傑作1stから。高岡さんのアンニュイな歌声と森雪之丞氏の退廃的なロマンを感じさせる歌詞が、フレンチ・ポップのようなサウンドにピッタリ。アレンジはザ・フォーク・クルセイダーズサディスティック・ミカ・バンドでお馴染みの加藤和彦氏です。’22年にはセルフカバーも)
https://youtu.be/PbmLzb7utfY?si=MzQlfUQVhpNJyfXn

6. 増田未亜「九月の水彩画」(『PURE』収録)
(爽やかで軽やかなAOR。詳しくはこちらで↓)
https://winterandwinter.hatenablog.jp/entry/2023/10/22/000000

7. 裕木奈江「Avec toi maintenant 〜SUNETE GOMEN〜」(『森の時間』収録)
(“フランス語だから”という理由以上に、オリジナルの「拗ねてごめん」よりもアレンジ面でのフレンチ・ポップ感が増したような楽曲。裕木さんの澄んだ歌声と可愛らしい発音がいいアクセントになっています。こちらはオリジナル版↓)
本人動画>https://www.youtube.com/watch?v=fwLxgTIivr4

8. 山中すみか「走れジュリー -動物たちの願い-」(『四月白書』収録)
(もう、アレンジがただただ純然たるAOR。その上で動物愛を歌うという、感動することしかできない楽曲。詳しくはこちらで↓)
https://winterandwinter.hatenablog.jp/entry/2023/06/11/212451

9. CoCo「Miss LONELY」(『SYLPH』収録)
(CoCoの中でも特にメランコリーなダンスチューン。大好物です。アレンジは亀田誠治氏が手掛けています。大野幹代さんの歌声は倍音が少なく、だからこそ響く良さがあるように思います)
本人動画>https://www.youtube.com/watch?v=22gHZnQ2jpY

10. 永作博美「雨の月曜日」(『N』収録)
渋谷系ライクな楽曲で、アレンジはまたもや亀田誠治氏。ホーンの音がいい味を出しています。余談ですが、私は『パッパカパー』のVHSを持っています)
https://youtu.be/9alaHLIBqqk?si=zKGOk31CFwpWWv_S

11. Wink「愛が止まらない〜Turn it into love〜[Remix-Version]」(『At Heel Diamonds』収録)
(オリジナルも素晴らしいのですが、リミックス版はイタロ・ディスコみたいで癖になる仕上がり。いっとき、このヴァージョンばかり聴いていました。言うまでもないですが、2人の歌声は繊細で美しい)
https://youtu.be/jI2z12be2s0?si=buy1xnYj9dlYrj8F

「冬の時代」の楽曲はダンサブルな楽曲でも、品の良さがあるのでうるさ過ぎず、寝る前でもぼんやり聴くことができます。カラオケの普及していなかった時代の音楽ですから、「アイドルの楽曲って、そもそも聴くための音楽だよなぁ」と思います。もう、そういう時代ではないのかもしれませんが、やはり自分はボーカルを堪能し、それを活かす楽曲やアレンジを楽しむことが好きです。

ちなみにAmazon Musicにはなかったので入れませんでしたが、このプレイリストの本当の一曲目は麻田華子「MELODIES」です。

www.youtube.com

小川範子「ガラスの目隠し」もどこかに入れようかなと思ったのですが、Amazon Musicに無かったことに加えて「シングル曲に頼りすぎるとFree Soulではないのでは?」という謎の問答があり、入れませんでした。

www.youtube.com

次は「安眠のための冬の時代」というプレイリストを作ろうかなと考えています。お楽しみに。